読書

辞書を読んだ男の本

そして、僕はOEDを読んだ作者: アモン・シェイ,田村幸誠出版社/メーカー: 三省堂発売日: 2010/11/16メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (19件) を見るOEDとは、Oxford English Dictionary(オックスフォード英語辞典)、本体20巻…

『人間の条件』読書ノート(3)

『人間の条件』志水速雄訳に致命的な誤訳を見つけてしまった。 Augustine seems to have been the last to know at least what it once meant to be a citizen…*1アウグスティヌスは、市民であることがかつて何を意味していたかを少なくとも知っていた、最後…

『人間の条件』読書ノート(2)

改めて確信したことは、アーレントは英語が下手である。書きかけ。 Unter diesen [drei Lebensweisen] zählt Aristoteles auf: das Leben, das im Genuss und Verzehr des körperlich Schönen dahingeht; das Leben, das innerhalb der Polis schöne Taten e…

『人間の条件』読書ノート(1)

ハンナ・アーレント(1906-1975)は、比較的若い頃までは、自らの著作をまず英語で書いたのちに、それを母語であるドイツ語に“翻訳”した――が単なる逐語訳というよりは、ドイツ語版ではだいぶ補足を加えている場合が多く、その最たる例が『全体主義の起原』で…

Adornierte kleine Moral

たまには学術的なことを記そうと思う。成海璃子バカ(もしくはヘヴィメタル馬鹿)だと思われているのは全く意に介さない――むしろ望むところだ!――が、どういうわけかクビ大の英文院生だと思われているのは、我慢がならない。だから今回はドイツ語のことに関…

シミューラクルの戯れ

確かに最近の私は成海璃子、成海璃子と騒ぎ続けた成海璃子バカであった(同じ固有名詞を三つも連ねりゃ、そのバカさ加減も程度が知れるであろう)。私があまりに彼女に熱を上げるものだから、私の学問的怠慢を懸念する声も出てくる始末である。けれども私も…

一度でいいから見てみたい

私は、彼らの対談が見てみたい。 仲正昌樹(金沢大学教員)vs 内藤朝雄(明治大学教員) テーマ:「みんな」の「中間集団全体主義」 「『みんな』のバカ!」と声高に叫び、「個人」が「集団」に埋没し無責任になっていく構造を顕かにした現代思想家・仲正昌…

公共図書館と古書店の使い方

前回「ブックオフのススメ」を記しましたが、やや言葉足らずな感が私の中に残っておりますので、表題のことをテーマとして記し直したいと思います。私は大学に入学して形だけでも研究活動を行うようになってから、古書店と図書館(主として、大学図書館)を…

ブックオフのススメ

「ブックオフのススメ」などと書くと反発する人も現れそうですが、私は結構頻繁に利用しています。今日も、この台風7号が伴った風雨の中、2件ほどブックオフ巡りをしてきました。以下は今日の購入リストです。 廣松渉『今こそマルクスを読み返す』1990年、講…