RYUSUKE、キチガイに絡まれる

2010年12月18日付の記事で、わたしは珍しく日記らしい日記を書いた。それは次のような事情があったからである。要は、次のことが言いたいために、買ったマンガの話とか、食べたラーメンの話まで持ってきたわけである。当初は、18日付の記事とワンセットで公開しようと思っていたが、後に述べる理由から、分けて発表することにした。

事は、日暮里駅で、日暮里・舎人ライナーのホームを眺めていたとき、起きた。前回わたしは次のように書いておいた。話は、その続きである。

上野から山手線で2駅、日暮里に向かう。目当てのラーメン屋に行くためである。こんな用事でもない限り日暮里で下車することなどありえないので、08年3月末にとっくに開業していた日暮里・舎人ライナー鉄道路線)の日暮里駅を改札を眺めに行く。

すると、ガテン系やチンピラのごとき容姿ではない、白髪交じりで短髪の50〜60歳台と思しきおっさんに「なにガン飛ばしてんだ」と因縁をつけられる。酒などに酔っていた様子はない。こちとら単なる一介の鉄道ファン、因縁をつけられる謂れはないし、目つきの悪さは生まれつきだ。駅員に突き出して警察を呼び、逆にこちらから被害届を提出して、法的な正当な方法で、逆にこいつの積み上げてきた人生をぶち壊してやることも可能だったはずだが、こういうキチガイにかかずらわってラーメンが食えなくなっては元も子もない。キチガイにたいして使ってやるにはもったいないほど丁重な言葉遣いで、追い払った。

頭には来たが、それ以上に悲しかった。哀れである。あのキチガイは、見たところは普通のサラリーマンか何かだと思われる。職業ヤクザなら駅などの公の場所で素人に絡むはずはないし、かと言って概して気性が荒いと言われる肉体労働のガテン系にも見えなかった。舎人ライナーから降りてきたらしいので、もしかすると荒川区や足立区の職人とも考えられる。

職人にせよサラリーマンにせよ、ヤクザはともかく、場合によってはガテン系であったって、昼間は顧客にたいして平身低頭ペコペコしているはずである。それがどうだ、時と場所が違えば自分の立場や肩書きを忘れて愚かな振る舞いに出るのである。

10月31日(日)に西荻窪駅で人身事故が起こって中央線が止まったとき、わたしが窓口で駅員に迂回ルートの確認をしていると、わたしの後ろに並んでいた30〜40歳台くらいの男が壁をコンコン叩いて急かすのである。思わずぶん殴ってやりたくなったが、もちろん当時はそのときではなかった。列車の運行が止まったとき、東京の背広組が鉄道の駅ではいかに愚かであるかということについては、id:RYUSUKE:20070921#p1にも記しておいた。

民放の「ニュース」番組では、テレビ局のインタビューに応じる新橋の「サラリーマン」たちがしばしば日本の政治について語り、政治家たちを論難するが、カンが悪いオザワが悪いと言う前に、この連中こそが日本を駄目にしているのではないかと、ナショナリスティックな思いに胸を熱くせずにはいられない。日本の政治家たちが馬鹿だとしたら、わたしが目の当たりにしてきた連中はそれ以下の白痴そのものだ。

ところで、田舎者の中には、わたしのこういう話を聞いて「東京は怖い人間がいる。やはり東京はおっかない」と言い出す者がいるが、それは決定的に間違っている。東京にキチガイがいるように、地方にもキチガイがいる。人口比でどちらが多いかは一概には言えないが、わたしの経験上、地方(田舎)のほうが多く出くわすように思われる。わたしの場合、わたしの小中の同窓生の中には、わたしと共通の話題を一切持たない連中が結構いる。

……とまあ気分は悪くなったが、我ながら随分タフになったと思うが、ああいうキチガイに絡まれても全く動じなくなった。というのも、そういう手合いとわたしとでは人種が違い、話す「言葉」も違うので、コミュニケーションなど不可能であると確信するに至っているからだ。

手の内を明かしておくと、このブログでは日記らしい日記を滅多に書かないわたしが、今回どうして敢えて私生活の一部を曝す気になったかというと、日暮里で荒川区キチガイに絡まれた話をどうしても書いておきたかったからに他ならない。例のキチガイは舎人ライナーから降りてきたらしいので、足立区か荒川区の住民である可能性が高い。足立、荒川、葛飾、江戸川の4区は住民の民度が低いとよく言われるが、葛飾区に住んでいるわたし自身も当地で、しかも駅前なんかで身も知らぬ人間に絡まれたことなどない。チョット、荒川区民は洒落にならない程度に民度が低いのかもしれん。

増える鉄道利用者の迷惑行為

そして、18日付の記事とは別個に本稿を用意したのは、18日の記事を書いているときに、次の新聞報道を目にしたからである。重要なので、全文を引用しておこう。

YOMIURI ONLINE『私鉄駅員らへの暴力、60代が最多』(2010年12月20日確認)

大手私鉄の駅員らへの暴力行為が今年度、過去最悪ペースで増えていることがわかった。

加害者の半数以上は40〜60歳代の中高年。全体の約6割が酒に酔ったケースだった。飲酒の機会が多い12月は、暴力行為が最も増える時期といい、全国の私鉄やJR各社は、乗客への啓発ポスターを駅や電車内に掲示するなどして注意を呼びかけている。

日本民営鉄道協会によると、全国の大手私鉄16社の駅や車内で起きた、駅員や乗務員を殴るなどの暴力行為は2000年度に75件だったが、08年度に約3倍の236件まで増加。09年度も231件だった。今年度は上半期(4〜9月)の段階で、前年同期より9件多い124件と上半期過去最悪の件数となっている。

加害者の年齢は、10歳代3%(4件)、20歳代14%(17件)。一方、40〜60歳代の中高年は55%(68件)と過半数で、中でも60歳代は年齢別で最多の23%(28件)に上っている。(2010年12月18日10時31分 読売新聞)

この記事では「駅員らへの暴力行為」と書かれているが、つまりこの統計にはある乗客(酔っ払い、キチガイ)から別の善良なる乗客への暴力行為に関しては含まれていないということだ。また加害者の約6割が酒に酔っていたというが、むしろわたしには、残りの4割が酒に酔っていなかったということのほうが驚きである。そして、加害者の年齢は過半数が40〜60歳台、60歳台は最多の23%である。60歳台ということは、世代で言えば概ね団塊の世代の該当し、企業などからの定年退職を間近に控えつつあるなど、好意的に見れば、年長者として社会の指導的立場に立っているはずの人々である。

わたしがとっ捕まったキチガイも、50〜60歳台の非酔っ払い男性であると推察される。

前回の世代に属する人々全てを捕まえてキチガイ呼ばわりするわけではないが、しかし一事が万事ということも言えるであろう。いずれにしても統計上若者よりも年寄りのほうが駅で狼藉を働いており、「若者」の側に属しているわたしとしては、非常に由々しき事態であると考えざるをえない。若者たちは年寄りの説教じみたご託宣をますます聞き入れるわけにはいかなくなってくるであろう。

過日この記事がとあるワイドショーで取り上げられており、話の結論としては、忘年会など酒席の多い時節柄だったり、現在の社会がストレス過多の情勢であり、いきおい深酒になってしまうので、反省しましょう、というものであった(同番組の出演者たちも酒酔いに関しては苦い思い出があるらしく、言葉数少なであった)。ということは何かね、テレビ局やそれの背景にある世論というやつは、日頃勤め先で高まるストレスの憂さ晴らしに飲み過ぎて酔っ払ったリーマンの暴力行為は、“許されることではないが、わからなくもない”という許容の態度で、方や勤め先でうまくいかずに退職し、社会にたいして怒りを募らせていった若者の無差別暴力行為は“嗚呼恐ろしい、こういうキチガイは厳罰に処せ!”と差別的な対応をしているということなのだろうか。

7人を殺害した秋葉原の加藤君はともかく、取手の斎藤は、被害者の数と被害の程度だけで言えば、たった5人に決して致死にならない程度の傷を負わせただけにすぎず、彼の登場に驚いて逃げる最中に些細な怪我をした「間接的被害者」を含めても、被害者は計13人である(この事件が周辺住民や生徒、児童などに与えた心理的・精神的インパクトについては考慮していない。計量化しにくい被害の概念だからである)。他方、鉄道の乗客が駅員その他に働いた暴力行為で最悪の被害の事件は、わたしが知りうる限りで言えば、毎日新聞社会部・編『地下鉄――ただ今モグラ族1000万』(コーキ出版)という1978(昭和53)年に出版された書物に書かれているケース(pp.64-67)である。

1977(昭和52)年2月20日午後9時55分頃、営団地下鉄(現・東京メトロ日比谷線三ノ輪駅(所在は台東区だが、荒川区との区境に位置する)で、4人連れの酔客同士が胸ぐらの掴み合いとなったため、同駅員のAさん(当時22歳)がそれを制止しようとしたところ、台東区の製造業C(当時26歳、ということは、現在は59歳くらいか)に暴行を受けた。Cは通報により駆けつけた警察官に暴行障害の容疑で逮捕された。Aさんは、前歯1本全損、前歯5本部分欠損、顔面打撲、視神経挫傷などで全治3か月の重傷である。尚この事件は、新聞では報道されなかったという。

場所も時代も違うが、取手駅で斎藤が起こした事件よりも、三ノ輪駅台東区の酔客が起こした傷害事件のほうが、被害の程度は明らかに酷い。にもかかわらず、ストレスを溜め込んだサラリーマンが酔って暴れた事件は何となく大目に見て、倦んで社会を憎む無職青年のアモークランを白眼視するのだとしたら、お門違いも甚だしい。あるいははっきり明言されるべきだ、「リーマンはストレスの代償に賃金を稼いで納税しているのだから、多少酔って暴れるのも仕方がないから大目に見よう。しかし斎藤の如き無職の人間は社会の何の役にも立っていない上に、その社会様日本国様を逆恨みして無差別暴力事件を仕出かす、まさしく社会のクズであり考慮の余地はない。どんどん厳罰に処すべきだ」とでも。

日本民営鉄道協会とJRその他の鉄道事業者は、「暴力行為防止ポスター」を車輌や駅構内に掲示して、乗客にたいして暴力などの迷惑行為の自重を呼びかけるという(2010年12月22日確認)。同協会らは、このポスターを通じて、「ヒビの入った写真とあわせて、『お酒に酔っての暴力行為が、あなたの大切なものをすべて壊してしまう』と強くメッセージを打ち出し、暴力行為を未然に防ぐことを目指します。また、暴力行為は犯罪であること、暴力行為に対して鉄道業界全体が結束して、毅然とした態度で対応することを強く訴えます」(PDFファイル参照)という。ならば各鉄道事業者には、是非とも、軽微な些細な酔っ払いの迷惑行為についても、すぐさま警察に通報し、逮捕や送検などの処置をとってもらいたい。加害者が酔っ払っていない場合には、尚更である。

酔っ払いは酔いが覚めれば自らの愚行にたいして羞恥心が沸いてくるかもしれないが、キチガイは、若かろうとも年寄りであろうとも、きついお灸を据えられなければ、自分がキチガイであることに気がつかないものである。とりわけ老人は、自らを説教してくれる者も少なく、また年寄りであるがゆえにその説教を聞く耳を持たなくなってきている。そういうときは、一度逮捕されるなどして、社会的な立場や信用など一切合財を喪失すれば、自分がいかに愚かでキチガイであったか自覚できるだろう。

車輌や駅構内での迷惑行為反対! 自己中心的な鉄道利用のサラリーマンは自己批判しろ! そもそもキチガイは去ね!