『神のみ』第11巻、こじろう526日暮里店

20時10分頃、千代田線新御茶ノ水駅に到着し、秋葉原方面へ歩く。石丸電気は20時で既に閉店。秋葉原はやはりまだまだ夜が早い。

メロンブックスで『神のみぞ知るセカイ』第11巻を買おうと手にとるが、作者のブログで、特定の書店でのみメッセージペーパーがおまけでつくことが書かれていたことを思い出す。メロンではつかないらしい。普段は、そのような特典などを意識することはないのだが、今回は何となく気になって、メロンで購入するのはやめた。中央通りを渡って、アニメイトへ。
『神のみ』第11巻に付属するメッセージペーパーは、作者のブログで行われた人気投票上位4キャラのイラストである。結果と配布書店は、第4位青山美生ゲーマーズ、第3位中川かのんがとらのあな、第2位ハクアがアニメイト、第1位エルシィがサンデーサポーターショップ各店、である。

ところがアニメイトの店頭で『神のみ』第11巻を見てみると、ハクアのイラストと共にエルシィのイラストも封入されている。なぜ? 何かの間違いか? などと思いながら、別の特典であるイラストカレンダーがついた特別版(700円)を購入。

ちなみに、帰宅してから調べてみて初めてわかったが、どうして秋葉原アニメイトではペーパーが2種類もらえるかというと、同店は上述のサンデーサポーターショップにも指定されているからである。秋葉原にはアニメイトのほか、とらのあなゲーマーズもあるが、このように2種類のペーパーがもらえるのは、秋葉原ではアニメイトだけだろう。これができるのは、日本中でもアニメイト秋葉原店に加えて、同池袋本店、日本橋店(大阪市)、天王寺店(同)だけであろうと思われる。

ところで、美生とかのんのイラストは見ていないからわからないが、エルシィとハクアが着せられている水着のデザインが同じで、しかも簡素(超ローライズのビキニ)。39男に要求するのは難しいのかもしれないが、ああいう作風の漫画を書いているのだから、たまに水着を書くときくらい、多少凝った、4キャラ四様のデザインを考えるべきではなかっただろうか。

中央通りを北上して、上野に向かい、新宿書店を目指す。早売りのジャンプを買う。山手線で2駅だが、最近はこの区間は歩いて上野に行く。1キロくらいだろうが、大した距離ではない。新宿書店に着いた時点で、21時を10分ほど過ぎていた。

上野から山手線で2駅、日暮里に向かう。目当てのラーメン屋に行くためである。こんな用事でもない限り日暮里で下車することなどありえないので、08年3月末にとっくに開業していた日暮里・舎人ライナー鉄道路線)の日暮里駅を改札を眺めに行く。

駅を出て、こじろう526日暮里店に向けて荒川区の夜道を歩き出す。通りは有名な繊維街なのだが、とっくに閉まっていて、どこも開いてはいなかった。酷く寒かった。真っ暗な通りを抜けて、10分ほど歩くと、ジーンズメーカーのEDWIN本社が見えてくる。道路を挟んだその向かいが、目当ての店である。大体22時ちょっと前の到着だった。

本店?は大田区雪が谷大塚駅前にあり、ラーメン二郎武蔵小杉店の元店主が開いた店である。ということはこじろうの日暮里店も完全なるインスパイアではなく、二郎の傍系にあると見てよさそうだ。

店に入ると、何と客は一人もいなかった。店員は店主と思しき中年男性一人だけ。ラジカセからJ-WAVEの番組が物悲しく垂れ流されていた。これは幸か不幸か。らーめん(650円)の食券を買うと、店員に渡した。トッピングは、ヤサシマシ、ニンニク、アブラ、カラメ。

スープは乳化はしていなかったが、きつ過ぎない醤油のしょっぱさが丁度よかった。チャーシューはとても柔らかく、すごくおいしかった。麺の茹で加減も問題なし。また来てもいいなと思える一杯だった。

食事自体は20分ほどで済んだのだが、席を立ちしなに「ここから一番近い駅はやはり日暮里ですかね?」とわたしが店主に訊いたところから、30分ほどラーメン談議に花が咲いてしまった。

こじろう「二郎はよく食べられるんですか?」
わたし「他のジロリアンみたいにホームがあるわけではないですが、立川、武蔵小金井高田馬場は新旧店舗両方、神保町、池袋、歌舞伎町、小岩、松戸では食べました。他には亀有の豚喜、○菅とか」
こじろう「豚喜はおいしいらしいですね。元々二郎品川店の店主だった人だとか」
わたし「(初耳)そうなんですか。品川出身だとは聞いていましたが」

こんな具合である。

どうして日暮里、それも二郎系不毛の地にやって来たのかと尋ねると、入居地を探していたときにたまたま見つかったいい物件が、ここだったとのことである。常連の中には、週一回、駒込から自転車でやって来る客がいるらしい。曰く、15分から20分くらいで着くのだとか。

(12月22日追記)店主からちょっと切ない話も聞いてしまった。わたしが「最近、二郎系のラーメン店は、直系もインスパイアも、爆発的に増えてきたみたいですね。わたしは03年に東京に引っ越してきたので、よくわかりませんが。やはり不景気だから、安い値段で量がたくさん食べられるという点が、いいのでしょうか」と言うと、店主は「薄利多売じゃないとやっていけませんよ。未だに1杯500円という目黒の二郎がいい例ですね」と答えた。

更に店主は「最近は早めに見切りをつける店が多くなってしまいました。6か月くらいやって儲からないとわかったら、もう店を閉めてしまう」と言った。恐らくこの話は、二郎系に限った話ではないだろう。逆に言うと、このご時世ではラーメン屋も一から初めては人気や常連客がつく前に潰れてしまうから、二郎の暖簾分けをもらったり、それどころかインスパイア系を自称して他人のふんどしで勝負をしたり、茨城大勝軒麺屋こうじのような独立支援体制のあるグループに人材が集中したりするのだろう。これでは、二郎や東池袋大勝軒、あるいは最近では六厘舎のインスパイアはどんどん増えるであろうけれども、その他の独自色の強いラーメンが育ちにくくなってしまうのではないか(わたし自身は、それらのラーメンやつけ麺が好きなので、歓迎なのだが)(追記ここまで)。

23時ちょっと前になって、別の客がやって来たので、わたしは退散することにした。

わたしにとって、平日に加えて土曜日も23時までやっているのはありがたい。最寄駅のいずれからも遠いのがネックであるが。まあ、週1で来るのは大変だが、月1程度なら来たいと思わせる味と、店主の愛想の良さであった。駅から遠いと言っても、二郎の新小金井街道店に比べれば遥かに近い。今日はたまたまだったのかもしれないが、二郎(系の店)は大概行列店なので、食ったらハイサイナラという感じで急かされて食わなければならないので、その点でも、ゆっくり食べられたこの店は好印象だ。

途中のファミリーマートプライヴェートブランドの烏龍茶(100円)を買って、飲みながら日暮里駅に向かった。最近は、ラーメンを食べたあとは積極的にお茶、とりわけ烏龍茶を飲んで油分や塩分を体外に排出しようと心がけている。帰りは、日暮里駅の手前で尾久橋通りに入り、その上を走る舎人ライナーの線路に沿って、西日暮里駅を目指した。地下鉄千代田線に乗るためである。

千代田線に乗ったのは、23時30分頃だったであろうか。時節柄か、我孫子方面ホームは非常に混雑しており、列車待ちの長い行列がいくつもできていた。

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