『神のみ』アニメ第2期決定だってさ

神のみぞ知るセカイ』(テレビ東京・毎週火曜日25時50分〜、以下『神のみ』)が本日12月22(日付は翌23)日、最終回を迎えた。しかし番組中で、セカンドシーズンの制作、放映が決定されていることがキャラクターの言葉を借りて明らかにされた(『サンデー』誌上ではすでに公表されているようだが、後述の通りわたしは単行本派なので、雑誌は買っていない)。女子攻略が歩美、美生、かのん、栞に留まっており、「駆け魂」を全て集め終わるまでは外れない首輪を桂馬がつけたまま最終回となるのも不自然であり、このファーストシーズンではどう考えても登場できないハクアが、予告イラストでは早々に第4話ですでに姿を見せていたのも、やはり不自然であった(ハクアとその協力者・幸枝は、最終話でわずかだが登場する)。そう考えると、ファーストシーズン放映開始以前から、セカンドシーズンの制作は予め決まっていたように思われる。……まあ、どうでもいいことであるが。

本作は、今10〜12月クールでわたしが唯一ほとんど毎週欠かさず観ていたアニメ番組であった。ついでに言えば、毎週アニメ番組を欠かさず観るというのも、わたしにとっては、およそ数年ぶりのことである。これは、04年20歳当時、テレ東や独立UHF局の深夜アニメを毎日、計5時間だか6時間観ていると豪語していたことを鑑みれば、隔世の感がある。それはなぜかと言えば、単に20歳のときはアニメまで熱心にチェックするオタクだったけれども、今やせいぜい単なるマンガファンに過ぎないからである。要は、このテの趣味に飽きただけである。
そもそも『神のみ』のアニメを観ていたのも、原作のファンだったからである。『週刊少年ジャンプ』党のわたしは『週刊少年サンデー』は単行本派であるが、原作者・若木民喜に関しては、『神のみ』連載開始前からその名を知っていた。愚弟が「『烈火の炎』や『聖闘士星矢』に似ている」と言って買っていたのが、若木の初連載作『星結晶アルバトロス』(2006年)だった。あるいは、絶滅種のアホウドリに深い興味を抱いていた弟は、そのタイトルにも惹かれたのかもしれない(アルバトロスはアホウドリの英名であるが、同作の内容とは全く関係がない)。

初連載にしてはほとんど完成しており、ぶれがない絵柄は、マンガというよりはアニメでよく見られるように思われ、アニメーター上がりではないかとわたしは一時疑っていた。『ハヤテのごとく』(2004年〜)や『絶対可憐チルドレン』(2005年〜)に見られるように、当時『サンデー』にはあからさまなオタク向け路線が敷かれており、『アルバトロス』もその一翼ではないかと考えていた。

ところが、初連載時の33歳という年齢は作家によっては既にベテランと呼んでもよかったが、アニメーター出身どころか京都大学出身ということを知って大層驚いたものだった。今時(高偏差値大学出身という意味で)高学歴漫画家なんて珍しくもなく、弘兼憲史を筆頭に早稲田大学からは唸るほど漫画家が出ているし(同大には複数の漫研サークルが存在しているという事情も有利に働いている)、『マーマレード・ボーイ』の吉住渉一橋大学在学中にデビューし、同大からは黒田硫黄倉田真由美も出ている。しかしさすがに、東大京大出身の漫画家は出てこないだろうと思っていたところに現れたのが、若木である。

33歳初連載、京都大出身。描くマンガはオタク臭い。なかなか香ばしい経歴とジャンル選択である。オタク向けの漫画家ということでは、『げんしけん』の木尾士目筑波大学卒、エロ漫画家・エロゲンガーで『げんしけん』のスピンオフマンガ『くじびきアンバランス』作画担当の小梅けいと京都大学卒であることから、高学歴漫画家はオタク受けに走りがちだと、今でも思い込んでいる。もっとも、漫画家に学歴など関係ないことは、大阪帝国大学附属医学専門部(のちの阪大医学部の前身の1つ)を卒業した漫画の神様が証明している。でもオタク向け漫画家になるには学歴は関係あるかもしれない、とわたしは何となく思っている。

長くなったので、以下次回。