IRON SAVIOR、4年振りスタジオ入り

IRON SAVIORのオフィシャルサイトによれば、バンドは今年の8月に新譜制作のためにスタジオ入りしたという――このニュースは、2ちゃんねるはおろか、Blabbermouth.net(世界最大のヘヴィメタルとハードロックにかんするニュースサイト)でも報告されていないので、それらに先んじてわたしが報じておくのも、価値があることだろうと思う。

同バンドが最後にアルバムをリリースしたのは2007年(Megatropolis)が最後なので、録音のためにスタジオ入りするのは、恐らく4年振りであろうと思われる。ドラマーのトーマス・ナック(Thomas Nack)に至っては過去3年間ヘヴィメタルから離れていたらしいので、一体その間どうやって糊口を凌いでいたのか訊いてみたいものだ。

ちなみに彼らが利用したスタジオというのは、ハンブルクにあるRekorder Tonstudio(レコーダー・トーンシュトゥーディオ)という、元GAMMA RAYのベーシスト、ヤン・ルバッハ(ルバックとも)(Jan Rubach)が所有するところである。

ルバッハは前述のナックとともに、GAMMA RAYの3rd(Insanity and Genius, 1993年)と4th(Land Of The Free, 1995年)に参加していたが、同バンド脱退後にIRON SAVIORに加入(アルバムは3rd Dark Assault, 2001年より)したナックとは異なり、脱退後の消息が伝わってこなかったルバッハは、もはや音楽業界、少なくともメタル業界から足を洗ってしまったのかと思っていた。

IRON SAVIORの活動がこんなにも停滞してしまった理由の1つには、中心人物のピート・ズィールク(シールクとも)(Piet Sielck)(ヴォーカル、ギター)がSAVAGE CIRCUSの活動に取られてしまったことが大であろう――べーシストのイェンツ・レオンハルト(Yenz Leonhardt)も参加しているが。もともと同バンド(プロジェクトか?)は、BLIND GUARDIANを脱退したトーメン・スタウフ(スタッシュとも。ドラマー)(Thomen Stauch)がズィールクとともに興したもので、そのためにPERSUADERとIRON SAVIORからメンツがかき集められて、活動がスタートした。それにもかかわらず1st Dreamland Manor(2005年)リリース後、その創設者であるスタウフ自身がこのバンドからも脱退する始末で、その後の活動は一体誰のイニシアティヴで、どのような理由で行われているのか、少なくともわたしには全くわからなかった。

このような何もかもよくワカラナイバンドにいつまでもかかずらわっていないで、ズィールクにはミュージシャンとしてはIRON SAVIORの活動に専念してもらいたい。

IRON SAVIOR "The Omega Man" (6th Megatropolis, 2007) --Official.