数少ないレフティ・プレイヤーが死亡
別に、ロッカー/メタラーの死亡記事ばかりをより集めているわけではない。
「METALGATE」さんによれば、SLIPKNOTのベーシスト、ポール・グレイが亡くなったという。わたしもSLIPKNOTの熱心なファンというわけではなく、新作が出たら一応一通り聴いてみる程度のリスナーでしかなかったが、今回わたしが彼の死を採り上げるのは、彼がメタル界・ロック界で数少ない左利きのプレイヤーだったからだ。
しかも彼は左利きのベース・プレイヤーだった。ロックとメタルの歴史上、ポール・マッカートニー以降の、右手で弦を押さえて左手で弦を弾く左利きベーシストを挙げてみると、わたしの知る限り、秋山澪を除けば、DARK MOORにかつて在籍していたプレイヤー(名前失念)ダニ・フェルナンデス――判明しました(5月26日)――とポール・グレイしかいない。左利きのベーシストは絶滅危惧種なのである。その意味でも惜しい人を亡くした。ご冥福をお祈りいたします。
ついで、今までにわたしが把握しているロック/メタル界の左利きギタリスト、左利きベーシストを挙げておこう。インターネット検索で「ギタリスト 左利き」「ベーシスト 左利き」といったワードで誰かが辿り着いてくれれば幸いである。
ちなみに掲載の基準としては、上にも挙げたように、右手で弦を押さえて左手で弾いているプレイヤーのみである。実生活のほかの作業を左手で行っていても、ギターやベースのみ右手で弾くというプレイヤーは全く問題としない。逆に、他の作業を全て右手でやっていても、ギターやベースだけは左、という人は、ここに含めることにする。
- 左利きギタリスト
- ジミ・ヘンドリックス(故人・ex-JIMI HENDRIX'S EXPERIENCE)●実はギターだけ左で弾いていたのではないか、という噂がある。
- トニー・アイオミ(HEAVEN & HELL, IOMMI, BLACK SABBATH)
- ルーク・モーリー(THE UNION, ex-THUNDER)
- ドイル・ブラムホール2世(Eric Claptonバンド)●以前クラプトンファンである伯父の家でDVDを観たときに出演していたのを思い出した。ちなみに「2世」というのは、父親と同名だから(父親もクラプトンバンドのドラマー)(5月29日追記)。
- アンディ・ウェイヴ(CRYSTAL VIPER)●ポーランド産ではわたしイチオシのバンドだが、ギタリストが左利きというのもポイント高し。
- マイケル・アンジェロ●左利き、というよりは世にも稀な「両利き」ギタリスト。ネックが2本以上生えているギターを用い、両手で同時に押弦して演奏するのである(エレキギターだとこれが可能らしい)。凄腕、速弾きという言葉を超えた「変態」ギタリストと呼ばれるべきだが、わたし自身は彼をあまり評価していない(曲がいいとは思わない)。
- チャーリー・シュタインハウアー(PARADOX)●ヴォーカリストが左でギターを弾きながら唄っているというのが、わたしがこのバンドに注目した理由である。
- トム・ナウマン(ex-PRIMAL FEAR, ex-SINNER)●デスメタルをやっているという廉で職場のギムナジウムをクビになったことでメタル界隈を賑わせたヴォーカリストがいるDEBAUCHERYでもゲストとしてギターソロを弾いている。わたしがPRIMAL FEARに注目したのは、ヴォーカリストが元GAMMARAYのラルフ・シーパースだったからではなく、ギタリストが左利きだったからである。彼がバンドを去ったあとのPRIMAL FEARのアルバムNew Religion(2007年)と16.6(2009年)が、彼が在籍時のDevil's Ground(2004年)とSeven Seals(2005年)に比べてイマイチなことを考えると、彼はもっと評価されてよいギタリストである。
- 左利きベーシスト
- ポール・マッカートニー(ex-BEATLES)●この人はギターも弾くが、やはりベーシストとして挙げたい。
- ダニ・フェルナンデス(ex-DARK MOOR)
- ポール・グレイ(故人・ex-SLIPKNOT)
余談だが、ドラマーのイアン・ペイス(DEEP PURPLE)は左利きで、ドラムキットが右利き奏者の一般的な配置とは左右対称に並べられているという。とは言え、ランディ・ブラック(PRIMAL FEAR, ex-ANNIHILATOR)の利き腕はわからないが、ドラムキットを左右対称に並べており、同じ曲中の同じフレーズをあるときは右側で、あるときは左側で叩いている。ドラムに関しては、利き腕の違いは見た目ではわからないところもある。
ほかにもロック/メタルのレフティ・プレイヤーがおりましたら、情報をお寄せください。一応プロのみといたしますが、一枚でもCDかDVDの、そのうちの一曲か一部かに出演ないし演奏していたらプロと見なします。そして、少なくともインターネット上で彼(彼女)が左で弾いている動画か画像が確認できれば、言うことはないですね。