センター試験の監督と思い出話

19日に私の大学で行われたセンター試験の英語リスニング試験で、試験監督のアルバイトをした。本学院生のみの仕事である。時給2,520円、時給が発生するのは16:30から19:30の3時間、しめて7,560円の収入となる。

ところが、大した仕事はほとんどなかったのである。16:30は集合時間であって、実働は17:15くらいから、しかも主な任務は荷物運びと、問題冊子、解答用紙、ICレコーダーの配布で、18:05の解答開始後の監督も30分間だけである。

19:00ちょっと前に試験実施本部に戻って荷物を片付けたところで、解放となった。実働は2時間に満たない。なんとおいしいアルバイトであったことだろうか。

こういう事態を前に、市場原理主義的な新自由主義者たちは「なんとムダ多きことか!」と呆れ果ててしかたないだろう。まあそういう“パブロフの犬”みたいな連中は放っておいて、私はこう考えるのである。こういう形でも貧しい大学院生の福利厚生を考慮してくれるとは、ありがたやありがたや、国立大学様々やわ。

受験生を物見遊山

それにしても、人生がかかっている若人たちを物見遊山で観察するのも、正直気分がいいものである。まあ、どれだけ「人生がかかっている」ことを自覚しているガキがいるのは、わからないが。

私が監督していた部屋で、実にボーッとしている受験生がいた。問題冊子が配られていないことに気づいていないのである。我々試験監督者たちが配布し忘れたことがそもそも悪かったのだが、「問題冊子、解答用紙、ICレコーダーが配られていない人はいませんか」と訊かれたあとでも、自身の致命的な不備に気づかなかったのである。

これには私が気づき、試験監督教員に伝えて事なきを得た。もし私が気づいていなかったら、「再試験」の対象者は1212人になっていたかもしれない。

いつだってこういう重要なときに大ポカをやらかす馬鹿者はいるわけである。

誰のことかって? おれのことだよ!

風邪をひいてセンター受験

時を遡ること5年前、2003年1月18日(土)、19日(日)のセンター試験で私は、国語I・IIを解かねばならないところを、国語Iを解いてしまっていた。気づいたのは試験開始40分ほど経過してから。絶望した。

私は風邪をひいてしまっていた。発熱は39度に達していた。胡乱な頭で1日目をやり過ごし、2日目の最初の科目でやっちまった。

第一志望の大学が私立だったにもかかわらず、私はつまらぬ意地を張って数学も理科も3年間をやり通した。国立大も片手間に受けて合格し、ハクをつけようという見栄に罰が当たったのだろうか。

だが私としてはこの大失敗が功を奏したと思っている。国立大受験を考慮する必要がなくなったために、私立大受験に、第一志望受験に集中することができたのである。結果として私は第一志望に進学したのだから、人生はどう転ぶかわからないものである。

ちなみに月曜日には風邪から完全回復した。あの風邪は一体何事だったのかと今でも考えるときがある。まあ好意的に、有りうべからざる天の配剤であったと思うことにしているのだが。

asahi.com『再試験対象者、最多1211人 センター試験

2008年01月20日21時29分

20日に全日程が終了した大学入試センター試験で、試験中にトラブルが起きて再試験の対象となった受験生が、19日分だけで8会場で過去最多の1211人に上った。ほとんどは英語のリスニングが対象で、センターはそれぞれのトラブルの原因を調査し、再発防止に取り組むとしている*1