華麗なる私の日常

午後9時、夕食を食べた後、近所のイトーヨーカドーに買い物へ行った。



税込総計999円だった。ちょっと感動した。財布の中には野口さんが一枚だけ。彼を出してお釣りを1円貰った。

私のレシート、悲しいかな「値引 50%」の文字が並ぶ。無論、他人に見せるから悲しいのであって、私がわざわざ閉店前の時間に行ったのは、商品が半額になるのをわかっていたからである。

新聞か何かで読んだことがある。私と同様に、値引きされた商品を狙って、閉店間際の食料品店で買い物をする熟年者――年金生活者が多いと。確かに、多かったかもしれない。私が住んでいる東京都城東地域は、昔ながらの下町が続き、老齢人口も多い。

私が格差社会に関心を寄せるのは、他ならぬ私自身が下流社会に身を窶〔やつ〕しているからだ。商品を並べる若い兄ちゃんは、レジを打つキャッシャーのオバちゃんは、アルバイターか、パートタイマーか。

格差社会に、日本の私たちは間違いなく暮らしている。