JR東日本、2度目の「特例中の特例」

『JR特急:乗り越し受験生のために“緊急停車”』*1
JR信濃大町(長野県大町市)発新宿行き特急「スーパーあずさ6号」が2日、大学受験で東京都立川市内の試験会場に向かう途中に降車駅を乗り越した女子高生のために、本来は通過する三鷹駅で“緊急停車”した。女子高生は下り電車に飛び乗って立川駅に引き返し、試験に間に合った。

JR東日本や試験を受けた独協大学(埼玉県草加市)によると、女子高生は同日朝、立川市の同大の地方試験会場に向かうため、特急に乗り込んだ。ところが乗り換えの八王子駅で降り忘れ、あわてて車掌に相談したという。特急は八王子駅を過ぎると、終点の新宿駅まで停車せず、そのままでは試験に遅刻。このため同社は、後続列車に影響がないことを確認した上で、特急を三鷹駅に約2分間停車。女子高生は乗務員用のドアから降車し、午前11時半開始の試験に間に合った。

同社は「今回は特例中の特例。停車駅はきちんと確認して」と話している。【永井大介

毎日新聞 2006年2月2日 21時00分

『乗り過ごし受験生“救助” JR東日本温情停車*2

特急を乗り過ごし入学試験に遅刻しそうになった受験生を助けるため、JR東日本が2日、ダイヤでは通常止まらない駅に緊急停車した。
JR東日本によると、受験生は高校3年の女子生徒。独協大(埼玉)の入学試験のため、長野県の信濃大町発、新宿行き特急スーパーあずさ6号に乗り込んだ。地方試験会場の東京都立川市に向かっていたらしい。
生徒は、特急が午前10時5分ごろ八王子駅(東京)を出た直後、立川駅を通過し新宿駅まで停車しないことに気付いたという。
生徒は母親に付き添われ、車掌に相談。JRは、後発列車の運行に影響がないことを確認し、本来は通過する三鷹駅(東京)に緊急停車した。
生徒は無事試験に間に合ったというが、JR東日本は「今回は特別措置です」と説明している。

2006年02月02日木曜日

丁度1年前に私は「乗り間違えにご用心」という文章を書きました。JR東日本が「特例中の特例」停車を行ったのは、何と奇しくも、今年も去年も2月2日でありました。

昨年は福島県の高校生が、今年は恐らく長野県か山梨県の高校生が、大学入試会場に向かう列車の駅を乗り間違えましたが、通常停車しない駅への「温情停車」により試験に間に合いました。

去年と今年の「事件」に共通しているのは、普段電車に乗りなれていないであろう、田舎の高校生が乗り過ごしたという点です。多分似たような事例は過去にも多数あったでしょうし、これからも少なくない数が発生すると思います。

温情停車」は是か非かという議論はありましょうが、本稿では論じません。もし私が同じ列車に乗車していて、予定にない駅での停車があった場合は、結構頭に来ます。心が狭いと仰る向きもありましょうが、特に今年の中央本線の例は朝の時間帯です。都会の人間は1分単位で移動時間を計算して列車に乗りますから、朝の忙しい時間に列車が止まったり遅れたりするのは、非常にイライラさせられます。

電車に乗りなれていない田舎の高校生、モータリゼーション社会の高校生は、他の乗客と一緒に列車に乗っていることを自覚しましょう。さもなくば、「特例中の特例」停車で間に合わせようなんて気になる――降りるべき駅で間違いなく降りる準備を怠ることになるのです。

*1:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060203k0000m040111000c.htmlより引用(09年2月12日現在、確認不可)。

*2:http://www.kahoku.co.jp/news/2006/02/2006020201001025.htmより引用(09年2月12日現在、確認不可)。