鉄ヲタひとつばなし

きょうJR常磐線金町駅を利用しましたら、駅前に「自由民主党」と書かれた幟を2本立てて、マイクで演説をしている男性がいました。喋り方が下手で、正直何を言っているかよく聞き取れなかったのですが、幟を見ると「千代田線の金町始発を」とか「快速線の金町停車を」のような趣旨のことが書かれていました。因みに「千代田線」や「快速線」は彼の幟にその通りありました。補足しておくと、「千代田線」は常磐線各駅停車、「快速線」は常磐快速線を指します。

正直、鉄ヲタとしても興味深い話題ではないし、現実味のある議論でもないので、彼は明らかに政治的に人気を得るためだけにそんなことを演説していたのでしょう。彼は自分の名前をわかるように示さずに演説していたので何者かはわかりません(もしかすると公の議員ではないのかも)が、政治家というのはテキトーなことを言っていれば金がもらえることを再確認しました。

もし本当に金町駅を利用する葛飾区北部住民のことを考えるならば、常磐線よりも注目すべき路線があります――京成金町線です。

以前もご紹介しましたかもしれませんが、同線は恐らく東京23区内で唯一の単線区間を有する路線です。金町−柴又間が単線です。それ故に電車の増発も叶わず、またホームも開業当時のものらしく、4両編成が限界の小さなものです。京成電鉄としては金町駅の改良ができれば車両増備とダイア増発も可能なのでしょうが、財政的な問題以前に、京成金町線の北に常磐線線路が直行し、南は地元商店街へと通じる踏切があるため拡張できません。複線化は予算なく元より無理――せっかく日暮里・上野へ乗換えなしで行けるダイア*1もあるのに、京成電鉄は金町線を活かしきれていないのが現状です。

さて、地図を見ると葛飾区にも鉄道が通っていない地域かあります。金町駅から見て北の水元地区がそれです。つくばエクスプレスが開業予定の足立区東部や東京都による日暮里・舎人線の完成が期待されている足立区西部ほどではありませんが、水元地区やその北、埼玉県八潮市三郷市の住民は通勤・通学にバスで金町駅に出るようです。

もし水元地区に京成金町線が北上延伸したら、それらの住民はだいぶ楽になるでしょう。金町線は銀座・品川方面へのアクセスに便利な京成高砂駅*2にも停車しますから、新たな動線になるでしょう。

元々この辺りは、足立区、葛飾区、江戸川区地内の環状7号線地下を突き進む「メトロセブン」構想*3や、地下鉄有楽町線葛飾区亀有・千葉県野田市方面への延伸計画がある地域で、以前から新規路線が必要とされています。その意味では私の申し上げる金町線延伸は突飛な提案ではなく、また自由民主党の男性は地元住民のために何も考えていないことがわかります。

――ですが、私は京成金町線ののどかな雰囲気*4が大好きです。再開発が一切進んでいない葛飾区の下町をゆっくり抜けていく単線電車に癒されます。なので、京成電鉄の財政難も、自民党の無策も私は歓迎します。