私立の医学生は金持ちだ

MSN-Mainichi『埼玉医科大:卒業取り消し2人に再入学勧める』*1

埼玉医科大の講師が学生に学外で卒業試験の特別指導をして多額の現金を受け取り、懲戒解雇された問題で、同大が、卒業内定を取り消した学生2人に自主退学して再入学試験を受けるよう勧めていたことが分かった。拒否した学生は除籍となり、もう1人の学生は試験を受けて合格し、6年生として今春再入学する。大学側は「本人の将来を考えて再入学試験を受けるよう勧めた」としているが、授業料や入学金などを改めて徴収する狙いがあった可能性もある。

同大学は学則で、1学年の在籍を2年までと定めている。200万円を元講師に支払った学生は、01年度の卒業試験が不合格となり、在学年限の02年度の試験を受けて卒業内定とされた。しかし、漏えい疑惑にかかわる不正に加担したとして内定を取り消された。学生はこれを不服として、03年1月末から処分の撤回を要求した。

大学側は同2月末、「自主退学すれば(6年生として)再入学の道が残されている」として自主退学を勧めた。学生は「大学に責任があるのに自主退学すれば自分が悪いことになる」と取り消しを求めたため、同4月1日付で除籍になった。このため、学生は地位確認を求めて訴訟を起こし、今月14日に水戸地裁であった第1回口頭弁論では、「金を払えば講師から試験問題を教えると言われたことはなく、一方的被害者だ」と主張した。

一方、1000万円を元講師に支払った学生は勧めに応じて自主退学。04年12月の再入学試験に合格し6年生に復学するという。【大平誠】

毎日新聞 2005年2月15日 15時00分

このコラムはいつから「時事ネタウォッチャー」になったのかと思わなくもないのですが、気になったので紹介しておきたいと思います。

元教員から金で単位を買った2人の学生のうち、1000万円を払った学生は大学当局からの勧めに応じて自主退学→6年次生として05年度より復学、200万円を払った学生は勧めを拒否して除籍処分とのことです。そして後者は除籍処分を不服として撤回を要求しています。

問題の主眼は大学当局が悪いのか、元教員が悪いのか、学生が悪いのかというところにありそうですが、私としてはそんなところにあまり興味はありません。私がすぐに感じたのは「やっぱり私立の医学生は金持ちなんだな」ということでした。1000万円も出せてしまうあたりに、財力的にも、金銭感覚的にも、一般とは違うと思わざるを得ません。

全く私の邪推ですが、恐らくこれらの学生は医者の子弟なのではないかと考えられます。私の高校の同窓生にも医者の子弟が少なからずおりました。そのうち私と親しかった歯科医の息子は、推薦入試で私立大学の歯学部に入学してしまいました。医者の家はやはり金持ちなんだと実感を深めた記憶があります。

一応、除籍処分が不服であると申し立てている200万円の学生について私の意見を述べておくと、やはり大学当局の判断は適当なのではないかと考えられます。元教員に金を支払ってしまっている以上、やはり不正行為が成立してしまっています。在学年限が迫っていて切羽詰っていたのでしょうが、不正は不正であると断ぜざるを得ません。一方、1000万円の学生は、この点非常に要領がよいですね。1年次の在学年限が2年までと学則で定められている以上、大学当局の勧めに応じた方が賢明であると思います。

因みに、埼玉医科大学の初年度入学金額の総額は、11,070,000円、6年間の総額は40,170,000円だそうです(詳しくはこちら)。……私立の医学は学費が高いとよく言われますが、その中でも6年間で4000万円以上かかるところは相当高いと言ってよいでしょう。

*1:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050215k0000e040103000c.htmlより引用(09年2月12日現在、確認不可)。