乗り間違えにご用心

東北新幹線:受験生のため、本来止まらない宇都宮駅で停車*1

JR東日本が2日、大学入試会場に行く途中で東北新幹線の列車に乗り違えた福島市の男子受験生のために、本来止まらない宇都宮駅で停車させていた。受験生は試験に間に合った。仙台支社は「特例中の特例。停車駅を事前に調べてから乗って」と話している。

同社によると、現役の受験生が2日朝、東北学院大経済学部(仙台市)の地方試験会場の福島県郡山市に向かうため、福島駅から上り新幹線に乗り込んだ。だが郡山駅に停車しないことに途中で気づき、車掌に相談した。

JR東日本は一度断ったものの、次の停車駅である大宮駅まで行くと試験に間に合わないため、後続列車に影響がないことを確認して、本来は通過駅である宇都宮駅に停車した。乗客には事前に車内放送で連絡したという。受験生はその後、下り新幹線で郡山駅に戻り、午前10時半の試験に間に合った。【宍戸護】

毎日新聞 2005年2月3日 14時21分

友人との雑談ならば「(やっぱり)福島県の高校生はバカだなあ」で済ませられそうですが、私は恥ずかしながら鉄道ファンですし、「大学受験生応援コラム」の第13回「都内の路線網の複雑さは乗り間違えやすいですよ」と申し上げた手前、笑い話で看過することはできませんでした。いや、最初この記事を読んだときは笑ってしまいましたが……。

この愚かな受験生はとても幸運だったと思います。列車の乗務員の人柄に助けられたと言ってもよいでしょう。別の方だったら、列車を停めてくれなかったかもしれません。引用記事中にもある通り、列車はあらかじめ定められた路線を走り、駅に停車するのが定めなのです。鉄道は乗客を(それは時として大量に)輸送することを使命としている以上、例外はあってはいけないことなのです。

しかしこういった非学力的な理由で受験に失敗しては、悔やんでも悔やみきれません。列車に乗り間違えるということは、試験問題で間違った科目を解いてしまう*2ことの次くらいに情けない受験の失敗理由です。しかし田舎の生徒は自転車やバスで通学することが多く、あまり列車に乗る機会がないかと思います。しかし東京などの大都市圏では列車での行動がメインになりますから、繰り言になりますけれども、列車の乗り間違えにはじゅうじゅうお気をつけ下さい。

それにしてもこの受験生は、この東北学院大学に無事合格することができるのでしょうか。無事合格して、かつ入学することができれば美談にもなりえるのでしょうが、失敗したら笑い話にもなりませんよね。

*1:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050203k0000e040076000c.htmlより引用(09年2月12日現在、確認不可)。

*2:私がセンター試験で国語の問題を間違えたことは、以前にお話ししたとおりですね。