(大学受験生を応援⑧)風邪に気をつけろ!

前回のコラムはこちら!


風邪をひきました。私は季節の変わり目に弱く、特に秋から冬に変わる時に風邪をひいてしまいます。それでも東京の秋冬は私の地元・福島県に比して暖かいので、去年は風邪をひかなかったのですが、今年は11月2日(火)から7日(日)にかけて帰省しており、東京と地元の寒暖の差にやられてしまったのかもしれません。5日に地元の後輩と食事をしたのですが、その時も頭痛がしていました。あるいは最近の東京は寒暖の差があり、朝パーカーなどを着て出て行くと、日中気温が上がって汗をかいてしまい、それが風邪の原因かもしれません。


また普段私が地下鉄を利用して通学しているのは何度も申し上げておりますが、地下鉄というのは終始トンネル内を走っており、電車が放出する熱は逃げ場がなく、トンネル内部に篭もってしまいます。地下鉄のトンネル内の気温は冬でも10℃前後になってしまうそうで、1978年の本には「春間近とはいえ、二月の東京はまだ寒い。ところが、都営三田線千石駅で、冬というのに、鈴虫がリーン、リーンと美しい音色を奏でている」(毎日新聞社会部『地下鉄−ただ今モグラ族1000万−』コーキ出版)とあり、25年以上前と現在とでも大差はありません。私の実感では、夏の地下鉄は車内冷房のおかげで比較的涼しいのですが、冬の地下鉄は、熱は逃げない・乗務員は空調を動かさない・おまけに混雑する、で冬の地下鉄の方が確実に暑いと思います。汗をかきながら地下鉄に乗っています。これも原因の1つとして考えられます。


今回の風邪は、鼻にも喉にも頭にも来ていません。ただ1点、腹に来ました。9日(火)の夜から兆候が現れ、翌10日(水)から本格的になり、腹が唸りっぱなし下りっぱなし、括約筋は緩みっぱなしという状況でした。11日(木)は学校を休みたかったのですが、2限のドイツ語を前回、前々回と連続して自主休講しており、どうしてもサボる訳にはいかなかったのです。大手町駅東西線に駆け込む前にトイレに駆け込み、ドイツ語の講義中も途中抜け出さねばならない始末でした。講義中の教室というのも湿気と熱が篭っており、暑くて地獄でした。そういう訳で今日12日(金)はまだ欠席日数に余裕があったので(私は計算して自主休講しています)、家で大人しくしていました。まだ完全ではありませんが、何とか復調してきたという感じです。木曜3限に無謀にも体育に出席したのですが、それで汗をかいたのが効を奏したのかもしれません。


とまあ、冒頭から汚い話になってしまって恐縮ですが(前日の日記で「後述する」と言ってしまったので)、ともかく受験生諸氏は風邪をひかないように気をつけて下さい、ということであります。風邪が受験生の大敵であることは言うまでもありません。


私は受験生時代、風邪に大変な目に遭わされ、そして大いに救われました。


私が受験したセンター試験は、2003年1月11日(土)、12日(日)だったように記憶しています。私はこの時に限って風邪をひいてしまいました。医者に診断されたわけではありませんでしたが、症状から察するにインフルエンザだったと思います。前日から頭痛が始まり、体の節々が痛くなり、翌日は体温が38℃を超えていました。フラフラしながら親の車で受験会場に向かうと、友人達も皆フラフラ、ゴホゴホしていました。応援に来ていた担任教師の中にも、風邪をひいている者がいました。


つまり、私達は集団感染したと考えられます。


センター試験の前日10日(金)、我が母校・安積高校の校舎の隣に立つ安積歴史博物館、私達が「旧本館」と呼ぶその建物2階の大講堂に3年生は集められ、「決起集会」が行われました。多分これが悪かった。


普段多用されないほこりっぽい場所に、400人余りの人間が集まれば、それはインフルエンザ・ウイルスにとっては格好の活躍の場となりうる。思い切り息を吸い込んで「エイ、エイ、オー!」のかけ声を上げ、校歌や応援歌も唄ったんだろうか……? ともあれ、不徳にも「絶対インフルエンザが危ないじゃん」と後述する、この集会をサボった医学部志望の友人が平気だったところを見るにつけ、まず間違いないであろう。……もしこの行事がまだ行われているのであれば、やるなとは言わないけれども、終了後は手洗いうがいを生徒に励行させることを、安積高校の教諭諸氏に是非とも進言致したい。


風邪をひいていると、薬の作用もあり、大概は思考がボンヤリしてきます。体も気だるく節々が痛むため、とにかく全てがいつも通りにいきません。そうすると、普段絶対に犯さないような失敗を犯します。


私の平成15年度センター試験(本試験)国語Ⅰ・Ⅱは48点でした。勿論、200点満点で。自慢じゃないが、私は国語は英語と並んで得意科目だったが、それなり努力していた英語とは異なり、国語はやらなくても点数が取れた。あるいは英語よりも取れていた。7割140点は当然、8割160点を目指していた。


それがなぜ48点だったかというと、国語Ⅰ・Ⅱを解くべきところ、同じ冊子に閉じられている国語Ⅰを解答していたからだった。それに気づいたのは開始後40分経過してからだった。


気付いた瞬間「あ」茫然自失。友人曰く「ソレは普通模試の時に1度やるだろ?」。私は1度もそんなミスを犯さなかった……この時までは。その瞬間、私の千葉大学(でも埼玉大でもどこでもいいが、とにかく文系国立大)受験への道は断たれた。


もともと文系私立大学が第1志望の国立文型*1の生徒であったが、大学に受かるためには全く無用の、ツマラナイ反骨精神「数学からは絶対逃げない」(夏休み以降、ちらほら私文に「逃げる」〈=私文転〉元国文型が出てくる)から、結局全く使い物にならなかった数学を引きずり続けてしまいました。第1志望が私立なんだから、3年次1年間を私文型で過ごせば、もっと楽に合格できたのにと、今でも強く思う(但し、他方別のことを思うこともあるが、それは機会を改めて語ります)。


他の科目では、数学ⅠA・ⅡBと生物ⅠBは語るまでもなく酷い点数で、日本史Bは82点だったが、これは平均点が63.93点と難易度が前年より低かったし、英語も165点くらいだった記憶がありますが、同様に難易度が前年より低かった(平均点は126.82点)ので、むしろもっと取るべきだったことを考えると、やはり全体的に風邪の影響か否か、私のセンター試験受験は失敗だったと言えます。これで私が中央大学・文学部(センター試験型)に落ちたのは第3回で語った通りです。まあ、八王子なんかに行かなくて絶対よかったとは今でも思ってますけど(遠い! 『●んしけん』は冗談でない。私の住んでいるところからよりも、3倍遠いよ)。

余談ですが、この平成15年度の試験は、国語Ⅰ・Ⅱと数学ⅡBが前年比で超難化しています。しかし追試験の国語Ⅰ・Ⅱは簡単だったらしく、1日目の簡単な英語を受けたのち、風邪で2日目を欠席して追試験の国語Ⅰ・Ⅱを受験した友人はともに高得点を上げ、横浜国立大学に受かっていました。悲喜交々ですね。

ですが、何故救われたかというと、それで覚悟が決まり「背水の陣」で私立大学の、そして第1志望の試験に臨むことが出来たからです。もし私が国語で失敗せずに数学や生物もそれなりできていたら、私立(私が受けたいくつかの私立大学は、問題傾向や出題形式が似ていました)と国立両方の試験対策に追われ、結局どっちつかずで両方不合格になり、浪人していたでしょう。もし浪人したとして、現在の大学に入学できる保証は勿論ありませんし、多分入れなかったと思います。妥協で明治や中央に行っていたかもしれません(傲慢な物言いですが)。人生何があるかわかりませんが、覚悟を決めた人間は強いとは、自分の経験から絶対に言えます。


因みに、私の風邪はセンター試験の翌日にはコロっと治ってしまいました。そして1週間を待たずに鼻水まで治まった記憶があります。今でもあの風邪は何だったのかと思いますが、もしかすると神様だか仏様だか大学の建学者だかが、私をこの大学に呼ぶために神通力を飛ばしたのかもしれません。無意味な妄想ですが、そう考えると楽しくなります。


因みに私立大学の本番は、体調ばっちりで受けることができました。セオリー通りに朝型の人間になって0時就寝・6時起床の生活でした(今や5時〈29時〉就寝・12時〈昼の〉以降起床という生活で……)。


なんだか話の方向性が、風邪を肯定する方に向いてしまっていますが、私の例は非常に特殊ですので、基本的には受験生諸氏は風邪をひかない方がいいことは言うまでもありません。普段から手洗いうがいを励行し、インフルエンザが流行り出すようだったら、病院に行って予防注射を受けた方がよいでしょう。受験はいくら用意周到になっても、なりすぎることはありません。受験勉強などで精神までも疲れてくると、体に失調をきたすこともありますので、どうぞお気をつけあれ。私のように試験中に下痢が来ると、多分非常にツラいですよ(笑)。(4212字)


To be continued to 20041120......


……実は重大な告知があるのですが、のちほど掲載いたします。明日以降の本稿をご確認下さい。

*1:「型」はコースの意。「文型」は文系コースを意味する。