POWER QUESTヴォーカリスト脱退

イギリスに拠点を置くヘヴィメタルバンドPOWER QUESTから、ドイツ在住のスリランカ人ヴォーカリスト、チティ・ソマパラ(Chity Somapala)(元FIREWIND)が脱退したことが明らかになった。ソマパラは、今後メタルを離れて、よりロックとブルースをベースにしたソロ活動をしていきたいとの意向を示しているという。後任人事は既に決定している模様で、今年(2011年)11月25日と27日のショーで初お披露目されるとのこと。

多分元から、Blood Alliance(2011年)の制作と、それに伴うツアーやプロモーションだけという話だったのではないかなあ。しかも、わたしは中低音域で聴かせる「漢らしい」(漢くさい?)彼の歌唱は嫌いではなかったが、彼の歌声と、バンドの疾走する典型的なメロスピ楽曲とがマッチしているとも思えなかったので、ちょうどよかったのではないかという気もしている。ソマパラは、FIREWINDにいたときも、Forged By Fire(2005年)1枚だけで結局脱退してしまっている。POWER QUESTよりはFIREWINDのほうが彼にフィットしていたと思う(単に、楽曲の出来が前者より後者のほうがよかったのかもしれないが)。

ソマパラ個人にたいしてはこれ以上の思い入れはないが、スリランカというメタル後進地域から勝負をしに来ている人がいるという事実は、結構わたしの関心を惹いていたので、そういう意味で彼にはもうちょっとメタル業界で頑張ってほしい。

後任人事は既に固まっているようだが、そのうち現在根無し草のZPサート(ZP Theart)を採用してくれないかな。POWER QUESTは、DRAGONFORCEの前身バンドDRAGONHEARTから脱退したキーボーディストとベーシストが結成したバンドであり(ベーシストはその後脱退)、そのキーボーディストであるスティーヴ・ウィリアムズ(Steve Williams)はかつてはサートの同僚だった。とある有名バンドの中心人物ではなかった元メンバーたちが、そのバンドの外で手を組むのを、メタルファンは結構好きだし、期待するものである。

(11年11月16日追記)ソマパラの後任としてアイルランド・ゴールウェイ出身のコリン・キャラナン(Colin Callanan)(31歳)がバンドに加入したことが明らかになった。キャラナンはこれまでにDARK CRYSTALやKARUNAなるプロジェクトで活動していたという。