自殺と無差別殺人の同義性

17時に台場でアルバイトを終え、神田へ着いたのは18時頃だった。地下鉄の駅で言うと神保町と小川町の中ほどにあるスポーツ用品店アディダスのスニーカー3980円*1を、しかも4割引の2388円で購入し、ルンルン気分のその足で秋葉原へと向かったのは19時ごろだった。

私は9時から17時まで、台場のオフィスで働いていたので、秋葉原の事件のことは何も知らなかった。

毎日jp秋葉原通り魔:死亡7人、負傷10人に…25歳男を逮捕』

8日午後0時35分ごろ、東京都千代田区外神田4の秋葉原電気街の交差点で、2トントラックが歩行者数人をはねた。運転していた男が車を降り、持っていたサバイバルナイフで歩行者らを次々に刺した。警視庁や東京消防庁によると、7人が死亡し、10人がけがをした。男は駆け付けた警察官に現場近くで取り押さえられ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。

男は、静岡県裾野市に住む加藤智大(ともひろ)容疑者(25)で、刺したことを認め、「人を殺すため今日、静岡から秋葉原に来た。(襲うのは)誰でもよかった」「世の中が嫌になった。生活に疲れた」などと供述しているという。警視庁は、通り魔事件として万世橋署に捜査本部を設置した。

警視庁によると、けが人には、万世橋署交通課の男性警部補(53)も含まれている。死亡したのは男性6人(19、20、29、33、47、74歳)と女性1人(21歳)。けがをした10人は男性8人、女性2人。

調べでは、トラックはレンタカーで、静岡県沼津市内のレンタカー会社営業所で8日午前8時から午後8時までの契約で借り出されていた。現場付近は、歩行者天国で日曜日とあってかなり混雑していたという。

複数の目撃者によると、トラックが通行人をはねたのは、歩行者天国となっている南北の通り(中央通り)と、車の通行が可能な東西の通り(神田明神通り)が交わる場所。トラックは、神田明神通りを西から東に向かって通過する際、横断歩道を渡っていた歩行者らをはねた。

トラックは数十メートル先で止まり、ベージュ色のジャケットを着て眼鏡をかけた男がトラックを降り、手にナイフを持ちながら交差点方向に歩いて戻ると、駆け付けた警察官に切りつけた。前後して、歩行者らに馬乗りになるなどして刺したが、男はその際、「ワー」「キャー」などと叫んだり、笑いながら追い回していたという。

拘束された様子を見ていた男性店員によると、男は中央通りを南に向かって逃げた。制服を着た警察官が追いかけ、通りから30メートルほど入った狭い路地に追い詰められると、無言でナイフを振り回し、警察官が警棒で応戦。警察官が拳銃を取り出すと、男はナイフを路上に置いた。その瞬間に、警察官を含め周囲にいた数人が上に乗り、取り押さえたという。

毎日新聞 2008年6月8日 17時43分(最終更新 6月9日 0時32分)*2

この事件のことを知ったのは、22時ごろ、友人にメールで神田で買い物をしたことを報告した折のことである。「おー!でも今日の秋葉の事件ヤバいよね!神田は近いじゃないか!」私には何のことだかさっぱりわからなかった。「昼くらいに秋葉で、酷いことになったみたいだよ。詳しくはテレビかネットでみてみて!」と言われ、フジテレビの『新報道プレミアA』を点けた。

私がこの容疑者と同じく神田明神(文京区湯島)方面から、神田明神通りと中央通りとの交差点へと現れたとき、その交差点の一角を占めるソフマップ秋葉原本館前では黒山の人だかりができているのは、夕闇の中でも電気街のネオンに照らされて、通りの反対側にいた私の目にもわかった。そこが、最初の殺人現場だったからだ。私はてっきり、またコスプレイヤーストリートミュージシャンのパフォーマンスだと思い、一顧だにせず湯島駅へと歩みを進めてしまった。

フリーライター小林拓矢は、派遣会社に雇われていた加藤は「社会的に排除され、怨念は高まっていただろう*3」と見るが、私は安易に格差社会論へと接続することは控えるべきだと考える。ただともあれ、多数の自殺者と、ごく少数の無差別殺人犯を生み出している原因がこの社会にあるならば、この社会は相当病んでいるとしか言いようがない。

そして「殺すのは誰でもよかった」という容疑者の供述は、今年の3月下旬に茨城県でやはり無差別殺傷事件を起こした金川真大を思い起こさせる。当時無職の金川や、派遣社員として低賃金で扱き使われていたかもしれない加藤が、01年に大阪府の池田小学校を襲撃して小学生を無差別に殺したやはり当時無職の宅間守のように、社会全体を恨んでいたかどうかは詳らかではない。

殺人においては、理由がいかなるものであれ、殺す者は(これから)殺される者に対して何らかの思惑があるから、彼なり彼女なりを殺すのである。例えば、前者が後者を恨んでいれば、前者は後者を殺すかもしれない。ところが宅間(や、あるいは金川)のケースに見られるように、ある者がこの社会全体を恨んでいるとき、その者が殺すのは――自殺という形で、自分自身でなければ――匿名の誰かであって、特定の個人ではないのである。

あるいは、まさに宅間がそうであったように、死刑になるために無差別殺人を犯すというのは、回りくどい方法ではあるが自殺と違いはない。そうなると、その死刑志願者が殺したのは、あたかも道連れの生贄のようである。一人の苦しめる個人の魂が解放されるためにこれだけの人命が費やされなければならない――殺された人々の生命のみならず、殺した自殺志願者の生命も含めて――のが、この社会の病理だろうか。

MSN産経ニュース金川容疑者 「妹殺害と小学校襲撃を計画」』2008.3.24 21:38

茨城県土浦市の8人殺傷事件で、無職、金川真大容疑者(24)が県警の調べに、逮捕容疑となった無職、三浦芳一さん(72)殺害事件の当日、「妹の殺害と小学校襲撃を計画していたができずに、たまたま見つけた三浦さんを殺害した。殺すのは誰でもよかった」と供述していることが24日、分かった。8人殺傷については「7、8人殺すつもりだった」と供述していることも新たに判明。県警は強い殺人願望から無差別殺人を狙った通り魔事件に発展したとみて、追及している。

金川容疑者の供述や調べによると、三浦さんを殺害した19日の行動について、当初は「妹を殺そうと思ったが、(自宅に)いなかったのでやめた」。その後、自宅を出て「小学校のほうに行った」。同校は、川容疑者の母校で、近くの市立中村小学校にマウンテンバイクで向かった。

しかし、当日は卒業式が行われ、父兄や教職員が大勢いた。このため、母校の襲撃は断念したらしい。

その後、小学校から東へ約200メートル離れた三浦さん宅の前を通った際、玄関先の物置のそばにいた三浦さんを「たまたま見掛け、背後から襲った」という。

「三浦さんとは面識がない。誰でもよかった」といい、県警は、妹殺害をあきらめ殺人目的で小学校に向かったが断念。三浦さんを襲ったとみている。

さらに、23日に8人を殺傷したJR荒川沖駅に現れた際については「駅に着いて7、8人殺そうと思った」と供述。駅周辺で、8人に切りつけた後、約300メートル離れた交番に向かい自ら警察に通報したが、「犯行後、怖くなった」とも話しているという*4

この話題はあまりにトピカルなので、急遽言及することにした。今まで2か月弱更新が止まっていたが、割と大型の書きかけの原稿は2つある。ただしそれがいつ日の目を見るかは、未定である。

そして、急遽更新した理由はもう一つあって、それというのも、私自身が何かを買うといえば秋葉原を利用する人間だからである。実は一昨日金曜日(ヨドバシカメラでイヤホンを買った)、昨日土曜日(某書店で早売りの『週刊少年ジャンプ』を買った)、今日日曜日と3日連続で出かけている。だから、もしかすると、私もこの事件に遭遇していたのみならず、被害者リストにこの名を連ねていたかもしれないのだ。そう考えると、全く他人事ではない。

世界ではどのように報道されているか

(08年6月10日追記)世界ではどのように報道されているか、ふと気になったので、私が読める英語圏とドイツ語圏の主要なメディアのウェブサイトを見てみた。今回私がドイツの『ディー・ヴェルト』誌から翻訳して引用したのは、英語圏の諸国よりもドイツのほうが多くの日本人にとって馴染みがないと思ったからである。

WELT ONLINE(ドイツ)『狂暴な殺人鬼(Amokläufer)がナイフで7人を殺害した』

現地時間2008年6月8日11時21分

東京の歓楽街である若い男が発作的に狂暴になり暴れ回った(Amok laufen)。25歳の男が一本のナイフで通行人たちを襲い、その際7人を殺害した。10人以上がけがをさせられた。ナイフによる襲撃の前に、男はライトバンで群衆の中へ突っ込んだ。

殺人鬼は東京の歓楽街でナイフ一本で無差別殺人を引き起こした。7人が殺害され、13人以上がけがをした。日本の共同通信が伝えている。犠牲者のうち3人は日本人男性で、死者2人以上の国籍は今のところ判明していない。犠牲者の中には1人の女性もいる。彼女は重傷のため病院で死亡した。

警察は25歳の男性容疑者を現場で逮捕した。この狂暴な犯行(Amoklauf)の動機については今のところはっきりしたことはわかっていない。

各メディアの報道によると、この切り裂き魔(Messerstecher)はライトバンで歩行者たちの中に突っ込んだあとに、奇声を上げながら犠牲者たちに襲いかかったという。彼は無差別に通行人たちをナイフでめった突きにしたり、切り裂いたりしたそうだ。警視庁広報部の赤荻治朗氏によると、犯人は人を殺すという明確な意志をもって、「電気街」として有名な秋葉原の歓楽街にやって来たという。

秋葉原は家電製品(Unterhaltungselektronik)と、日本のマンガとアニメーション(Animationsstreifen)のファンのためのメッカである。事件が起こったとき、秋葉原駅の周辺には多くの買い物客がいた。海外からの旅行客たちにとっても、秋葉原は人気のある旅行の目的地である。最近になって、通行人を狙った一連の無差別殺人は日本にショックを与えた。

8. Juni 2008, 11:21 Uhr
Welt Online (Deutschland) »Japan: Amokläufer tötet sieben Menschen mit Messer.«

In einem Vergnügungsviertel in Tokio ist ein junger Mann Amok gelaufen. Der 25-Jährige ging mit einem Messer auf Passanten los und tötete dabei sieben Menschen. Mehr als zehn weitere Menschen wurden verletzt. Vor der Messerattacke war der Mann mit einem Lieferwagen in eine Menschengruppe gefahren.

Ein Amokläufer hat in einem Tokioter Vergnügungsviertel mit einem Messer ein Massaker angerichtet. Sieben Menschen wurden getötet und 13 weitere verletzt. Das meldete die japanische Nachrichtenagentur Kyodo. Drei der Opfer sind japanische Männer, die Nationalität der beiden weiteren Toten war zunächst nicht bekannt. Auch eine Frau ist unter den Opfern. Sie erlag ihren schweren Verletzungen im Krankenhaus

Die Polizei verhaftete einen 25-jährigen Verdächtigen am Tatort. Über das Motiv des Amoklaufs herrscht derzeit Unklarheit.

In Medienberichten hieß es, der Messerstecher habe sich brüllend auf seine Opfer gestürzt, nachdem er mit einem Lieferwagen in eine Fußgängergruppe gefahren sei. Er habe wahllos auf Passanten eingestochen oder sie mit dem Messer aufgeschlitzt. Der Täter sei mit dem Vorsatz in das als „Electric Town“ bekannte Vergnügungsviertel Akihabara gekommen, Menschen zu töten, sagte Polizeisprecher Jiro Akaogi.

Akihabara ist bekannt als ein Mekka für Unterhaltungselektronik und für Fans japanischer Comics und Animationsstreifen. In dem Gebiet nahe des Bahnhofs Akihabara hielten sich zur Zeit der Attacke viele Besucher auf. Auch unter ausländischen Touristen ist Akihabara ein beliebtes Ausflugsziel. Erst kürzlich hatte eine Serie wahlloser Morde an Passanten Japan schockiert. AP/DPA/CN*5

次はイギリスの『インディペンデント』紙である。私は一応ドイツ文学者でありながら、未だに英語のほうが得意なのにもかかわらず、この記事はかなり訳しにくかった。

インディペンデント(イギリス)『ナイフ男が東京で暴れ回り、七人が殺された』

現地時間2008年6月9日

東京の都心で「狂乱状態の(hysterical)」男によって7人が殺害され、10人が負傷させられた。男は、自分は「人生に疲れた」と言いながら、買い物客たちのなかへとバンを突っ込み、ハンティングナイフで人々を切り裂き始めた。

男は、警察によって加藤智大(25歳)と確認された。襲撃は明らかに前もって計画されており、買い物とエンターテイメントの街である秋葉原の混雑する交差点で3人を轢いたあと、彼のレンタルしたバンから飛び降り、少なくとも15人を突き刺した。

目撃者たちによれば、5分間の凶行の間、加藤は狂ったように(hysterically)に叫んでいたという。「あれはカオスだった」と一人の男性は公共放送NHKに語っている。「彼は秋葉原駅のほうに歩きながら、無差別に人々をただ突き刺していた。」別の人たちは、加藤は混雑する大通り〔中央通り――訳者註〕を動き回る前に、被害者たちの一人の上に飛びかかって彼を「何度も」突き刺したと言っている。傘、靴、血まみれのタオルが、犯行後の交差点には散乱していた。テレビでは、通りで犠牲者たちの救命活動を行う救急隊の様子が放映された。

被害者には、中等教育学校の生徒(a secondary school student)〔殺された7人の中には、高校生以下の年齢の者は含まれていない――訳者註〕や、けが人の救護中に背後から刺された警察官、そして74歳の中村勝彦さんが含まれる。中村さんの妻によれば、彼はコンピューターゲームを買うために出かけたそうだ。「彼はとてもいい気分で出かけて行きました」と彼女は語った。

警視庁広報部の赤荻治朗氏は昨夜日本のメディアに以下のように語った。加藤は人々を殺すために秋葉原へ行ったが、殺すのは誰でもよかったという。「彼は人生に疲れた、全てが嫌になったと言っています」と赤荻氏は付け加えた。携帯電話のカメラで写真が撮られ、目撃者たちが警察に威嚇するために加藤を撃てと言ったあと、警察が彼を地面に組み伏せる様子が写されていた。

自動車整備士であった加藤は、東京から南西に約100マイルの静岡県の企業で働いていた。彼は金曜日に数日間の休暇をとり、バンを借りて東京へと向かった。

秋葉原は、オタクの国である。オタクとは、アニメのキャラクターやヴィデオゲーム、おもちゃの収集のような、唯一の趣味を執拗に追求する愛好者(geek)のことである。加藤がこの場所を襲撃のために選んだことは、偶然ではないかもしれない。専門家たちは、急速に終身雇用制度を廃止し核家族が増える国では、伝統的な男性の役割に関して増大する不安感によって、オタク現象が焚きつけられると語る。

日本における一連の無差別襲撃のなかで、本件が最新で最も被害が甚大である。無差別襲撃は過去10年間で67件発生しているが、今年になってから急速に増えている。襲撃の大半はナイフを用いた単独犯行である。「もしあなたがこうした男たちのプロフィールを目にするならば、彼らはしばしばパートタイマーや不安定な職についていることがあります」と首都大学東京社会学者カタダ・カオリ氏〔具体的なプロフィールは不明――訳者註〕は語った。こうした男性たちは社会から排除されたと感じ、鬱積した怒りを爆発させるのです。」

1月には、2本の包丁〔品川の事件のことならば、包丁は3本――訳者註〕を持った16歳の少年が混雑する東京の通りで自分の進路を切り開き(slashed his way)、2人が重傷を負った。

「私は全員を殺したかった。それが誰であろうと気にしていなかった」と彼はのちに警察に語った。

3月には金川真大(24歳)が地方の鉄道駅のめった刺し祭り(stabbing spree)に参加し、その結果1人が死亡し、7人が負傷した。

昨日の襲撃事件は、2001年6月8日の襲撃事件と同じ日に発生した。その日に、宅間守は大阪の小学校で8人の児童を刺し殺した。

The Independent (UK) "Seven killed as knifeman goes on rampage in Tokyo."

By David McNeill in Tokyo
Monday, 9 June 2008

Seven people have been killed and 10 injured in central Tokyo by a "hysterical" man who ploughed a van into a crowd of shoppers saying he was "tired of life" and began slashing people with a hunting knife.

The man, identified by police as Tomohiro Kato, 25, mowed down three people at a busy intersection in Akihabara, a shopping and entertainment district, before leaping from his rented van and stabbing at least 15 victims in the apparently premeditated attack.

Witnesses said Kato was screaming hysterically during his five-minute rampage. "It was chaos," one man told the state broadcaster NHK. "He was just stabbing people at random as he walked toward Akihabara station." Others said Kato jumped on top one of his victims and stabbed him "many times" before moving down a crowded main street. Umbrellas, shoes and bloody towels littered the intersection after the attack. Television showed pictures of an ambulance crew trying to revive victims in the street.

The victims include a secondary school student, a policeman stabbed in the back as he went to someone's aid, and 74-year-old Katsuhiro Nakamura, whose wife said he had gone to buy a computer game. "He was in such a good mood before he left," she said.

A spokesman for Tokyo police, Jiro Akaogi, told Japanese media last night that Kato had gone to Akihabara to kill people and didn't care who. "He said he was tired of life. He said he was sick of everything," he added. Pictures taken with mobile-phone cameras showed police wrestling Kato to the ground, after witnesses said they threatened to shoot him.

Kato, a car engineer who worked in Shizuoka, about 100 miles south-west of Tokyo, his company on Friday he was taking a couple of days off, hired the van and drove to Tokyo.

Akihabara caters to the country's otaku: geeks who obsessively pursue a single hobby such as collecting anime characters, video games and toys. It may not be a coincidence that Kato chose this area for his attack. Academics say the otaku phenomenon is fuelled by growing insecurity about traditional male roles in a country that is rapidly shedding lifetime employment and the nuclear family.

It is the latest and deadliest in a string of indiscriminate attacks in Japan – 67 in the past decade and increasing in frequency since the start of this year. Most of the assaults involve knife-wielding loners. "If you look at the profile of the men, they are often men in part-time or insecure work," said Kaori Katada, a sociologist at Tokyo Metropolitan University. "These men feel excluded from society and they explode in pent-up rage."

In January, a 16-year-old boy carrying a pair of kitchen knives slashed his way through a crowded Tokyo street, badly injuring two people.

"I wanted to kill everybody. I did not care who they were," he told police afterwards.

In March, Masahiro Kanagawa, 24, went on a stabbing spree at a rural railway station that left one person dead and seven wounded.

Yesterday's attack happened on the anniversary of an attack on 8 June 2001, in which Mamoru Takuma stabbed to death eight children at a primary school in Osaka.*6

『インディペンデント』の記事には、情報が不正確な箇所や、不謹慎なジョーク(英国紳士のウィットに富んだジョークなのかもしれないが)が散見されるが、それ自体は注目に値する資料なので、とりわけ文字通りに訳した(他の箇所は、適宜意訳している場合もある)。

私がこの記事を選んだのは、先に『産経新聞』が採り上げていたからである。

英紙インディペンデント(電子版)は、秋葉原はオタクが集まる場所で、「(派遣社員の)加藤容疑者が、犯行場所にこの地域を選んだのは偶然の一致ではないかもしれない」と指摘。その理由として、日本での終身雇用の崩壊と核家族化により男性の伝統的役割が不安定化したことが「オタク現象」を加速させている、との専門家の見解を挙げた。*7

ところが、『産経新聞』も注目している専門家の代表として『インディペンデント』が話を聞いたのは、何者かよくわからない、ネット上にも名前が出てこない社会学者である――googleで"かただかおり"および"kaori katada"で検索したが、もしかしてまだ院生なんじゃないか。「〔不安定な職についている〕こうした男性たちは社会から排除されたと感じ、鬱積した怒りを爆発させるのです」なんて意見は、正直別に真新しいものではないが、だからといってそこらへんの社会学の院生に言わせていい証言ではない。

*1:http://www.shopadidas.ca/cat_Mens_Mens-Footwear_Shop-All-Mens-Footwear_Mens-Stabil-Flex_White-Dark-Indigo-Metallic-Blade-014982_1281.html(08年6月9日) ただし私が購入したのは、黒と橙を基調にし、銀のストライプが走っているもの。

*2:http://www.mainichi.jp/select/today/news/20080609k0000m040013000c.html(08年6月9日)

*3:http://d.hatena.ne.jp/tazan/20080608(08年6月9日)

*4:http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080324/crm0803242141030-n1.htm(08年6月9日)

*5:http://www.welt.de/vermischtes/article2079584/Amoklaeufer_toetet_sieben_Menschen_mit_Messer.html(08年6月10日)日本語部分は、引用者の拙訳である。

*6:http://www.independent.co.uk/news/world/asia/seven-killed-as-knifeman-goes-on-rampage-in-tokyo-842794.html(08年6月10日)日本語部分は、引用者の拙訳である。

*7:http://sankei.jp.msn.com/world/america/080609/amr0806092035006-n2.htm(08年6月10日)